名古屋 腰痛 治療法
2016-05-02
名古屋 腰痛 治療法
1.運動療法
適度な運動によって腰まわりの筋肉、骨、軟骨、靭帯などの組織を強化して機能を向上させたり、組織の老化を遅らせたり、ストレスを解消したりすることで、腰痛の改善を図ります。 運動内容は主に、腰痛体操や柔軟体操・骨や筋肉を強化する筋力トレーニング・体力の向上や肥満の解消にも役立つ全身運動(ウォーキングや自転車こぎ)があります。
激しい腰痛がある時は、腰を動かさずに安静にしていることが原則です。しかしある程度痛みが和らいで動けるようになってきたら、無理のない範囲で積極的に体を動かしたほうが安静にするよりも治りが早いことが分かっています。安静にしすぎると回復を遅らせ、かえって状態を悪くしてしまうこともあります。
<運動による主な治療効果>
・筋力を高め、骨を丈夫にする
・筋肉や靭帯の柔軟性を高める
・関節の可動域を広げる
・組織の老化を遅らせる
・肥満やストレスを解消する
・体力がつき、免疫が高まって病気になりにくくなる
このように、運動によって腰を支える力が強くなるだけでなく、予防にもつながるような様々なメリットが得られます。
ここで簡単なストレッチ法を紹介します。
・前屈みで痛みが出る腰痛
→うつ伏せになり両手を肩幅につき下半身は力を抜いて床につけたまま上体を少し起こし、両肘を立てて体重を支えます。可能であれば両掌で体を支えさらに上半身を起こしていきます。
・体を後ろへ反らせると痛みが出る腰痛
→仰向けに寝て両ひざを抱え余裕があれば首を持ち上げて”おへそ”をのぞきこむようにすると、より効果が高まるほか背筋を伸ばすストレッチにもなります。その状態を数秒間維持していきます。
※ストレッチ時の注意点
・ぎっくり腰のように、急で激しい腰痛が見られる場合はストレッチをせず安静にしてください。
・体が沈み込むような柔らかい布団やマットの上ではなく、平らなところで行いましょう。
・強い痛みや不快感を感じない範囲でゆっくり伸ばしましょう。
・呼吸は止めずに行い、息を吐きながら伸ばし吸いながら元の姿勢に戻るのが基本です。
・体が温まっている時は筋肉が柔らかく関節の動きが良くなるので入浴後などに行うのがオススメです。
毎日少しずつでも良いのでストレッチを続けていきましょう。
2.薬物療法
痛みをコントロールするための薬物を服用する治療法です。炎症が激しく痛みが強かったり、安静にしていても痛みがとれない場合に、これらを和らげたり解消したりする目的で行われます。
<使用される主な薬剤>
・消炎鎮痛剤(痛み止め薬)
炎症を鎮めることで痛みを和らげる効果があり、最も良く使用される。通常は副作用の少ない非ステロイド性抗炎症薬が使われ、症状の重いケースに限り、鎮痛効果は大きいが副作用も大きいステロイド薬が使われる。
・筋弛緩剤:筋肉の緊張を和らげる
・抗うつ薬、抗てんかん薬、精神安定剤:ストレスからくる腰痛に効果がある
・血流改善薬、漢方薬、ビタミン剤など
痛みが激しい場合は、神経に麻酔薬や鎮痛薬を注射して神経の経路を一時的に遮断し、痛みを感じなくする神経ブロック療法も採られます。
薬の形態は、患部に直接貼り付けたり塗りつけるタイプの「外用薬」、口や肛門から服用する「内用薬(内服薬)・座薬」、患部に直接注入する「薬物注射」があります。
3.温熱療法
腰を温めることで血行を促進する治療法です。血行が良くなると、炎症や痛みの元となる化学物質や疲労物質が流れやすくなり、痛みが和らぎ回復が早まります。また、筋肉が柔らかくなり関節の動きも良くなって、負荷や衝撃を吸収・分散する働きが強まり、腰の負担が減ります。からだの動きが良くなってケガもしにくくなります。医療機関では電気・超音波を使った専用機器やホットパックを使用します。家庭でも、入浴、カイロ、腹巻き、サポーターなど、様々な方法で手軽に患部を温めることができます。
※ぎっくり腰などの急性腰痛症発症した直後は温めると悪化する恐れがあるのでその場合は冷却しましょう。
4.装具療法
腰の保護、固定、動きの安定を目的とした器具を腰まわりに取り付けることで、腰の負担や痛みを軽減する治療法です。
装具とは身体機能を補うために体に装着する器具のことで、腰用のコルセットやサポーターなどがあります。
<装具の効果>
・外部からの衝撃を和らげ、腰の筋肉や骨を保護する
・腰を適度に固定して、腰によくない不適切な動きや姿勢を制限する
・良い姿勢を保つ(外した後も姿勢が良くなりやすい)
・背骨のゆがみを矯正する
・安心感が得られる
→腰痛がひどい人の場合、ちょっとした動作で腰に激しい痛みを感じるため、常に姿勢や動作に気を使い神経をすり減らしながら生活しなければなりませんが、装具を付けていれば腰の動きが制限されるため、そうした気疲れが少なくなり気持ちが楽になります。
<過度の使用は逆効果にも>
装具をつけると腰が楽になるのは、装具が腰の筋肉の代わりに体を支えてくれるからです。筋肉は使われないと細く弱くなっていきます。装具に頼りすぎて漫然と長い期間使い続けると、腰を支える力が弱くなり、装具を外した後に痛みはかえって悪化する場合もあります。
6ヶ月程度の装着では大きな影響はないとも言われていますが、装具への依存心を強めすぎないためにも、ある程度痛みが和らいできたら装具は外し、筋肉を鍛える運動療法などの治療法に移行していきましょう。
コルセット治療は”急で激しい痛み”が見られる腰痛の急性期のみに行うことが合理的です。どうしても使い続けたい場合は、腰巻きのような薄手のコルセットをつけている程度なら問題ないです。
5.神経ブロック療法
腰痛の中でも椎間板ヘルニアなど腰痛に伴い下肢の痛みが強く、服用したお薬で効果が得られない場合に、選択させることがある「神経ブロック療法」。痛みが強すぎたり、痛みが長く続いてしまうと、その痛みにより、体を活動的な状態にする交感神経系が緊張してしまい、痛みを強めてしまう恐れがあります。 連続した強い痛みは、予想以上に腰痛の回復を遅らせる可能性があるため、モトとなる神経に局所麻酔を用いて、痛みの伝達をブロックし、続く痛みの悪循環を遮断します。神経ブロック療法の中でも種類があり、神経に直接注射をせずに、神経の周囲に麻酔薬を注射する方法もあります。
6.手術療法
腰痛の治療の基本は上記で紹介した保存的療法です。一定期間は保存療法を行い、症状が改善するかどうか様子を見ますが以下のようなケースにおいては手術による治療も検討されます。
・保存的療法を一定期間行なっても症状が改善しない、または悪化している
・腰痛やそれに伴う症状によって日常生活に支障が出ている:激しい腰痛の継続、足の強いしびれ、マヒ、筋力の著しい低下、排尿・排便障害など
・すぐに治療を行わないと障害や後遺症が残ったり、生命に関わる病気が発症している:骨の悪性腫瘍(がん)や一部の内蔵の病気など
ひと昔前までは、手術といえばメスで患部を大きく切除して行うような大がかりなものが主でした。しかし近年の医療技術の向上により、現在では内視鏡を使った体の負担の少ない手術や、手術以外の治療法も併用した効率的な方法が考案され、同じ症状に対する手術法の選択肢が増えてきました。
各手術法には長所と短所があり、どの方法を実施するかは、腰の状態、患者の体力や年齢、本人の希望、普段の生活環境などを考慮して決定します。