名古屋市南区 フォルクマン拘縮について

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名古屋市南区 フォルクマン拘縮について

2018-06-01

前腕の筋肉にある屈筋群の内圧が上がった状態がフォルクマン拘縮

医療機関や整体院・整骨院などで拘縮という言葉が使われていたり、耳にしたりすることもありますが、拘縮とは何と言う方も少なくありません。
拘縮とは、関節を包んでいる薄い膜の関節包の外側に付いている筋肉・靭帯・皮膚が原因で起きる関節の可動域の制限のことを指す専門用語です。
骨折後などに生じやすくて、骨折の経験のある方は感じたことがあるでしょうが、関節が動かしにくくなるのはこれが原因と考えられています。
ただ骨折の場合は、骨が変形して関節が制限されるケースもって、この場合は強直と呼んで拘縮とは少し違うのです。
また拘縮には、見た目に分かるものと分からないものがあって、見た目に分かるものとして有名なものとして3つあります。
1つは、火傷の跡の皮膚が硬くなって関節の可動域の制限される瘢痕拘縮で、2つ目は手掌の腱が硬くなることにより生じるデュプイトラン拘縮です。
そして3つ目が、骨折や脱臼によって筋肉・血管・神経などの内圧が上昇して、循環不全を生じることで関節の可動域が制限されるフォルクマン拘縮というものです。

3つ目のフォルクマン拘縮は、コンパートメント症候群のひとつで、最も発生頻度が高いと言われているのです。
コンパートメントとは、腕や脚といった末端が筋膜などで筋肉の区分けされていることで、この内圧が上昇して内部の組織を圧迫することをコンパートメント症候群と言います。
フォルクマン拘縮は、前腕の筋肉にある屈筋群・伸筋群・橈側伸筋群の3つのコンパートメントのうちで、屈筋群の内圧が上がった状態のことです。
主な原因は、上腕から前腕にかけての打撲・骨折による外傷や、強い圧迫・肘の脱臼などで、屈筋群の筋肉が腫れることで血管が圧迫されて血流が悪くなります。
このような状態で筋肉に血が通わないようになると、どうしても内部で血液が足りなくなるといった阻血という現象が起こるのです。
この阻血が生じると筋肉がむくんで、さらに内圧が上がって循環障害や神経障害を起こします。

主な症状としては、前腕や上腕の圧迫・骨折に伴って痛みと一緒に腫れが起こるのです。
そのうち指や手首が曲がってきて、自分の意思はもちろんのこと他の人が伸ばそうとしても伸ばせないようになりますし、指のしびれも同時に起こります。
このような症状は患部を固定したり、安静にしたりしても改善しないもので、逆に悪化させてしまう可能性があるので注意が必要です。
特に、痛み・腫れ・皮膚などが紫色になるチアノーゼ・麻痺・異常知覚・脈が感じられないなどの症状はかなり危険な状態で、さらに症状が進行してしまうと完全に手指が曲がったまま固まってしまいます。
この状態のことを屈曲拘縮と言って、コンパートメント内の圧力が上昇して動脈が圧迫されてから、約6~8時間程度で始まると言われているのです。
この約6~8時間程度で始まる間に、可能な限り阻血の原因を除去することが、治療において最も大切なことと理解しておくことが大事になります。

 

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