名古屋市南区 肩鎖関節脱臼の病態
2018-06-18
肩鎖関節脱臼の病態・症状・治療・予後
肩鎖関節の損傷のほとんどが転倒により肩を突いた時に発生しますし、転倒した時に手や肘をついて肩鎖関節に介達的に外力が加わることで起こります。
介達性の外力による肩鎖関節の損傷では程度が軽いことが多くて、肩鎖関節捻挫や肩鎖関節亜脱臼が見られます。
しかし鎖骨肩峰端が上方へ脱臼するケースが最も多くて、肩鎖関節や鎖骨外端部への打撃など直達外力では、下方脱臼や後方脱臼など特殊な脱臼を生じることもあります。
こうした脱臼をまとめて肩鎖関節脱臼と言って、レスリングや柔道などの格闘技系スポーツや、サッカーやラグビーなどコンタクトスポーツで発生頻度が高いです。
また作業中の転倒・転落、交通事故による肩周囲への打撃や圧迫など、日常生活においても起こることがあります。
肩鎖関節の損傷には、先にも触れたように病態により捻挫・亜脱臼・上方脱臼・後方脱臼・下方脱臼などに分類できます。
肩鎖関節脱臼のひとつ肩鎖関節上方脱臼では、関節包と肩鎖靱帯の損傷にプラスして菱形靱帯と円錐靱帯の損傷も起こって、肩峰端は顕著に上方に偏位し階段状変形が見られます。
症状としては、先にも触れましたが鎖骨肩峰端の顕著な上方突出による階段状変形が見られますし、肩峰端の弾発抵抗、肩峰関節面の持続的脱臼痛、患側上肢の運動時疼痛誘発などがあります。
治療は通常手術適応といえるのですが、単純な上方脱臼ならギプス固定・肩鎖関節専用固定バンドによる固定・キリシュナー鋼線固定などの保存療法が施行されます。
固定期間は約4~6週間で固定除去後3ヶ月程度で日常生活動作に問題はなくなりますが、重労働ができるようになるまでは2年以上経過を要することもあります。
肩峰への前方からの直接打撃で起こることが多いのが肩鎖関節後方脱臼で、肩鎖靱帯の断裂、菱形靱帯と円錐靱帯の断裂や部分断裂、三角筋や僧帽筋の鎖骨付着部の部分断裂が起こって鎖骨肩峰端は後方へ転位します。
症状としては肩峰の後方に鎖骨肩峰端を触知、強い持続的脱臼痛、疼痛による運動制限、疼痛回避のために患側上肢を健側の手で支えて頭部を患側に傾ける姿勢をとるなどがあります。
肩峰への直接打撃で起こることが多いのが肩鎖関節下方脱臼で、鎖骨の肩峰端が肩峰の前下方に脱臼するタイプと、烏口突起下に転位するタイプの2つがあります。
肩峰の前下方に転位するタイプでは、関節包・肩鎖靱帯の損傷が起こりますが、烏口鎖骨靱帯の損傷は伴いませんし有っても部分損傷です。
烏口突起の下方へ脱臼するタイプでは、烏口鎖骨靱帯の断裂や、僧帽筋と三角筋の鎖骨付着部の部分断裂を伴います。
症状は肩甲骨の肩峰が突出して、患側を前方から観察すると鎖骨の外端が肩峰の下方に位置しているのが分かりますし、持続的脱臼痛を強く訴えることが多いです。
後方脱臼・下方脱臼の治療は、靱帯や鎖骨付着筋群の損傷が著しいことが多いため、徒手による整復が困難となることから、どちらも手術による治療が行われます。
どちらも日常動作が行えるようになるには約4~6ヶ月程度かかりますし、スポーツなどへの復帰には1年近く必要です。
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